k.k.stranger 「驟雨」
驟雨の新橋、肩を並べ歩く
不思議な感覚だ
年が2倍は離れているのに心地がいい
お会いしたのは3回目
父が大学生の時の部活の後輩だった
これも縁だから
と一献共にすることになった
話を聞く限り、父と自分は似ているように思う
特に騒ぎの近くでそれをBGMに呑むところや
読んでいる本が似通ってるところなど
もしかしたら学生時代同期だったら
気があったかもしれない
呑んでいる途中で
ふと思い出した父の言葉がある
「アイロン掛けは無」だ、と
何言っているのか伝えたいのか
さっぱりわからなかった
しかし今、自分が掛ける立場になると少し分かる
もし本当に似ている存在ならば、
同じようなところで躓き、嘆き、哀しみ
それを乗り越えた上でそこに存在する
その背中は、言葉にならないコトバを伝え
その言葉は、言葉以上の意味を内包していく
共通言語は理解を深める
だが生者の間のみで使われる訳ではない
驟雨は上がった
一刻前雨に晒されたのが嘘のようだ
明日もまた降るだろう
その時手に持つ傘はあるだろうか
本の中だけではない
日常の中にも何気なく傘はある
0コメント