山田航平「人間の宿命」
「私」は何も、何一つの
思想、哲学も体現し得ない者である。
その真理と価値を
口舌の上で弄んでいるだけの
軽蔑に値する唾棄すべき人間である。
肥大されし、
その醜悪なる欲望は
己の心を蚕食し端から端まで腐敗していく。
そんな「私」は[私]を
認識していただろうか。
[私]はそんな醜悪なる
「私」を自覚すべきであるのに…
そんな[私]は
本然を疑いあろうことか
神を否定した…
それは矮小なる己を自覚せず
社会規範や真理を
自覚してしまったがための
幼稚なる人格に
目を背けた
[私]の罪
[私]は「私」の魂を磔にし
血を滴らせ
永劫
消滅しない苦しみを
この魂に刻みたい
[私]の魂は
理想を追い求め
天界を見上げ
福音を刻む。
[私]の肉体は
霞んだ霧の中を
彷徨い天界を見上げ
罪を背負う。
そして、
時おり差し込む
天界からの恩寵を糧に
現実を自覚し
理想を追い求め
一歩、もう一歩と進めていく。
しかし、[私]の宿命は
現実と理想との狭間で
悶え苦しみ
発狂しながらも
狂人になることを許してはくれず。
神の啓示を完遂するために
生を謳歌している。
「私」を自覚せよ
真の姿を見るには勇気が必要だ。
目を背けるな 目を背けるな 目を背けるな
自覚せよ
それ以外に生きるすべない。
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