「情緒的 働き方改革」佐古田
コーポレイトネガホリズムという言葉があります。
(読んでくださる皆さん、横文字ですみません)
ある社員が幼少期の頃に負った心理的な傷、未解決な問題を無意識に職場に持ち込み、職場全体が機能不全を起こす職場環境の現象です。
(私は日本社会には大変多いのではないかと思っています。)
仮にAさんとします。
子供の頃、自分と母親、周囲の世界との間に安心できる雰囲気はなく、そのままの自分が受け入れられることはありませんでした。
少年時代は命令と心理的な脅しの繰り返し。
親とあたたかな感情の交流やもなく、支配と服従の家族。親が気にいる結果ならば褒められるがそれ以外の結果なら存在すら認められない。
表面的には何不自由のない家庭にみえる。
しかし家族という名が付くだけで皆他人である。
彼はこの世界に迎合しつつ「安心できない」「結果のでない者は生きる価値がない」と認識するようになりました。
時は流れ大人になりましたが、どこか他者と馴染めず不安な感情を隠すため、もっと強くなろうと無理な努力しました。しかし劣等感からの努力は自分自身を見失わせ、周囲の期待に応えるため、周囲に価値ある自分を演出するため働いてはいますが世間に対して欲求不満で怒りがある。
「だれも俺のことをわかってくれない」
解決する問題に蓋をして生きると、心は幼児のままだ。Aさんは肉体だけ大人になり社会的な立場もある。
すると社員や父親という立場を使い正義の仮面を被る。弱い立場の他者に要求を始める、心の傷を癒そうとする 。巻き込まれた部下や妻、子供はたまらない。
「●●はこうすべきだ」「●●であるべきなのにけしからん」「●●は結果が出ていない。無能なやつは辞めろ」
心が大人になれないまま体だけ成長した心理的幼児の特徴は意識と無意識の乖離があります。
● 周りにちやほやされないと不機嫌になる
● 人を放っておくことができない 粘着する
● 心理的に依存している人の関心・保護が欲しくて高圧的な態度や問題をわざと起こす
● 役割を演じる人間関係のため人によって態度が豹変する
● 例えばどの職場でも毎回男性上司ともめてしまう 女性の部下とうまくいかない等 特定の条件で関係を継続できない
● 心理的不安感から話し合いにならず常に要求、命令一辺倒になる
世話はしたくないがしてほしい
世話はしたくないがしてほしい
職場ではこのような事例があります。
現実の問題を解決するより、自分の心理的葛藤を癒すことに囚われているため、事実を歪曲して介錯する、周囲が疲弊する、職場の風通しが悪くなり意見が出ない、高圧的な態度を使い取引業者の担当をいじめる、辞めさせる、などなど。
「昔はこんなのは当たり前だった〜今のやつは甘えてる」という建前で自分の傷を隠す者もいます。
甘えの気持ちを会社の立場を使い癒し始めると、職場内だけでなく職場の外でも問題を起こし始めるという点にあります。
働き方改革は見える部分も大切ですが、見えない部分の改革も必要です。この事例、表面的には真面目で頑張る彼が会社を破壊してしまうのです。
Aさんは自分が本当に欲しているものを認識しなければ周囲との争いは永遠に続きます。奥様や子供達、周囲の人たちとの関係にも歪みを生んでいくでしょう。
見て見ぬふりをした問題は一生彼をを支配し深い人間関係を築くことができなくなります。
過去の辛い思い出をフラッシュバックするように、心理的な問題に時効はありません。
みなさん、ゆめゆめお忘れ無く。
読書人は闘わなければなりませんぞ!
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