「自己紹介について」佐古田

「はじめまして。岐阜県から来ました◯◯です・・・」
11月17日のハラドク全国大会で自己紹介論が話題になりました。

自己紹介というと挨拶程度のことかな、なんて軽く思っていましたが、奥が深いです。
私自身、何に注目しているのかを振り返ってみました。

伝わる情報。
●今求められている流れを皮膚感覚で察知し、適切なものを必要な分量だけ届けられる見抜く力。
●出来事をどのように解釈し、現実の生活と折り合いをつけ生きているか。情緒的成熟度。
●感情か、知性か。相応しい言葉を選び、想いを正しく伝える言葉の力。
●言葉以外でその人を現すもの。人相、姿勢、所作や気遣い、身の回りのもの。
●話す言葉と事実が一致しているか、矛盾しているとしたらなぜその矛盾を本人が必要としているか。

・・・まだまだ有りそうですね。上記はほんの一例ですが、皆さんはどのような事に注目されるでしょうか。

話者からは膨大な情報の「音」が波のように表出しています。
この音を手掛かりに、過去の蓄積や統計を無意識に結びつけた直感が雰囲気です。
五感を駆使し「どんな人物なのだろう」と全身から発する音を受信する。

自己紹介に限らず、醸し出す雰囲気にその人を理解するカギがあると考えます。

逆に、自己紹介で『違和感』を感じることもあります。
●周囲が見えていない。常に自分を見つめている、心のキャッチボールにならない。
●褒めて欲しい、認めて欲しい、チヤホヤしてほしい。自己中心的な欲求。
●司会者から意見を求められ、時間を考えず独演会を始めてしまう。
●話しながら感情的になり悪口や不満を言い始める。

違和感に共通するのは「心の距離感」の喪失です。
相手との正確な心の距離が掴めないから、場違いな要求を初対面の相手に求め人間関係の事故を起こしてしまいます。

ある知り合いの女性は、親しくなることがわかりません。気になる男性の気持ちや環境を理解することなく接近し、
「まだそんなつもりじゃ・・・」と逃げられてしまうことが何度もありました。
ある時、別の男性とお付き合いすることになっても、長続きしない。
この女性は友人との関係も、心の距離感を掴めず、人間関係の事故が絶えないと漏らしています。

なぜ心の距離感を喪失してしまったのか自らを振り返ると気付きが生まれます。

自己紹介はそんな心の一端が見え隠れします。
寂しさ、依存心、同情、称賛、甘え、幼児的願望、愛情飢餓感。

自らの心の葛藤を相手との関係で解決しようとすると、心の距離感がなくなります。
実際にあるものを「ない」と見て見ぬふりをすれば、自分がわからなくなり、相手はコミニケーションが出来なくなる。

飢えているのだ。

溺れているのだ。

それに気づく。それに対処する。

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