「額面通りの言葉」佐古田



ある人は優しく「バカやろう」と笑い、またある人は冷たく「ありがとう」と距離を取る。

文字だけを追えば、「ばかやろう」が意地悪に聴こえるけれど、さらに汲み取れるサインがあるはずだ。

言葉を選ぶまでの道のりや、関係性も知らなければ相応しさも見えてはこないし、受け取る者がどの言葉を温かく迎え、冷たく拒絶するか判断できない。

人の営みは
言葉と声、身体の働きも組み合わさり、熱意や喜び、愛しみなど様々な感情を表現しております。

つまり
送り手は文字だけで感情を正確に表現するのはたいへん難しく、受け手も真意を掴むには相手の全体をつぶさに観察する必要があります。

言葉を額面通り受け取っては間違えます。

「大丈夫」という絶望があり、「関わらないで」というSOSがある。

人が人を想うとき
「あいつなんかあったんか」と言葉以前の違和感を捉え相応しい時期に、心に橋をかける。

「あたたかい言葉」の前に「あたたかい眼差し」という心の相互性が存在して欲しいのです。

言葉を信頼しすぎてはいけない。

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