第2回「仕事」episode3

    輝く誰かの仕事を羨むときは、どうか胸の内を
一人、部屋で書き記して貰えないか。
誰に見せることもない、苦しみのすがたを。
君が思い込むのはきっと孤独なとき。
頑なに耳を塞ぐのは周囲に味方がいないとき。

    劣等感は全ての感情を排斥する。
君の美しい感受性も、豊かな慕情も。
どうか過去の失敗を許してほしい。
完璧にできる人などいない。
みんな等しく傷ついているのだ。

    誰もが無いものを欲しがり、渇いている。
仕事を復讐の道具にしてはいけない。
もし君の毎日が虚しいのなら、
なにかを積み上げるのは心の掃除が済んだあと。
君はまだ掃除が済んではいないのだ。

    生きる恐れから望外なお金を求める人もいる。
異様な目標を目指す者もいる。
全てに行き詰まったと思うなら己に問え。
わが身の矛盾を隠して生きていないか。
見て見ぬ振りをしている問題はないか。

    人は本来、簡素に、素朴に生きられるはず。
自分を生きる。毎日できる限りのことをする。
他者との比較から早く抜けなさい。
君が苦しむだけだ。
幸せに向かい歩むつもりが方角を見失っている。
いつからか君は急ぎ、走ること自体が目的になってはいないか。そんな自分に酔ってはいないか。
何のために走るのか?その問いさえ忘れ、身勝手な涙を流している。

君を想う人を敵と憎んではいないか。
君の健康を願う人を疎んでいないか。
特別なことなど望んでいない。
君は自身の足で立てば良い。それだけで良い。
今の自分以上の待遇を求めてはいけない。

仕事が君をみている。

(佐古田尚宏)


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