【映画「告白」】


逆モノ業務連絡をブログで見たので、この映画を見た。

淡々とした静けさの中、淡々と進んでいく映画。

だからこそだろうか、恐怖の本能を刺激する。

しかしその恐怖はあってしかるべきものであって、
決して目を背けるものではない。

恐怖と同時に味わう感情がある。

それが何なのかは、人それぞれであろう。


ただ一つ言えることは、
感情は単純ではなく複雑系だということだ。

喜怒哀楽というが、今味わっている感情の裏に、何かがきっとある。

楽のみを追い求めることが、いかに愚かで稚拙であるか。

それは感情の複雑系を否定する行為である。

その否定とは即ち、
人間の人間たる所以の否定に繋がる。



人間は、美しい存在であり、そして醜い生き物だ。

人間は、楽しい存在であり、そしてつまらない生き物だ。

人間は、明るい存在であり、そして暗い生き物だ。


身近な存在は疎遠になり得るし、

恋心を抱いた相手は憎しみの対象になり得るし、

憧れの存在は己を破滅に向かわしめ得る。


人間は、かくも複雑なる生き物なのだ。

当たり前ではあるが、
その当たり前を思い出させる映画である。

清濁併せ呑むことは出来るか。

楽や喜のみを良しとするのではなく、

苦や悲も受け容れることは出来るか。

ストーリーは映画を見れば分かるし、

時間を短縮したければ、ネットで調べればあらすじはすぐに出てくる。

なんて便利で、なんてつまらなくなったのだろう。


映画「告白」。

醜くて恐ろしくて、

淡くて切なくて、

寂しくて儚かった。


P.S. 「逆のものさし講業務連絡」が時々入ります。
今までの業務連絡をまとめましたのでご活用ください。





逆のものさし講名古屋
市川秀行

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